日本でのサービスを停止したネッテラーとは

世界規模で送金事業を行っているサービス、それがネッテラーです。
このネッテラーは残念ながら2020年の4月に日本での事業を停止しました
そんなネッテラーのサービス概要を紹介し、どのような送金サービスだったかをお話しし、サービス停止後に口座内に残高があった場合の対応についてもまとめました。
これを読めばきっとネッテラーがどのような事業を行い、そして撤退後の日本での日本人ユーザーへの対応についても知ることができるのではないでしょうか。

ネッテラーとはどんな送金サービスなのか?

ネッテラーとはどんな送金サービスなのか?
ネッテラー(Neteller)はイギリスのロンドンに本拠地を置く多国籍企業、Paysafe Group Limitedが展開する送金サービスです。
運営母体自身は非常に大きな企業であり、ロンドン証券取引所に上場し、グループで年間800億米ドルを超える金額を動かしています。
ネッテラー事業自体は、ネット上でのビジネスが中心になっているため運営母体の拠点、ロンドンにはありません。
法的にネットビジネスが行いやすい同国のマン島(イギリス南部の島、マン島TTなどレースで有名)に拠点を置き、そこで欧米やオセアニア、アジアでは日本に支社を展開し、ビジネスを行っています。
そして、それらの場所を中心として、安全なショッピングをはじめ、オンラインカジノの決済や海外送金などを容易にするサービスを展開しているのがネッテラーです。
日本では主に海外のFX業者との金銭のやり取りの際に利用されることが多く、その後はオンラインカジノでも使われるようになりました。
元々単独の企業でしたが冒頭の大手金融グループ、Paysafe Groupの傘下になることで更に安定した運営を可能にしたのです。
サービス自体も非常に柔軟性に富んだものであり、世界中の決済サービスと連携しクレジットカードや法定通貨の対応もしていることから、同業他社に比べても利便性が高いサービスです。
加えて近年では仮想通貨の売買や送金、両替なども手掛けるようになり、電子決済サービスを超えた仮想通貨販売所としての性格も帯びるようになりました。
ちなみに対応する仮想通貨も日本でやり取りが多いビットコインに限りません。
イーサリアムやビットコインキャッシュ、そしてライトコインと言ったあるとコインと呼ばれる仮想通貨も対応しています。
また、NET+カードを使ったATMからの直接引き出しも可能とするなど、ネットで日本国内の銀行へ送金するといった二度手間がないという点も魅力的な電子決済サービスです。

令和2年4月21日をもって資金移動業を廃止

このようにPaysafe Groupの傘下で便利な電子決済サービスを行っていたネッテラーですが、タイトルのように日本国内のサービスを止め、日本の送金サービス業から撤退しました。
多くの理由が考えられるものの、撤退を決めたという理由として十分な収益が見込めなかったことが考えられます。
ただ、これは今回に限ったことではなく2016年にも一度撤退した経緯があります。
そのためある程度ビジネスモデルを再構築し、再び日本市場に戻ってくる可能性は否定できません。
ただ、現在のところ口座に残った金銭を清算し、顧客サービスに関係する資金を完全に引き上げる動きをしている状況です。
そのため、近いうちに再上陸するということは考えにくいと言えます。

既存の日本人ユーザーが持つ口座はどうなるのか?

既存の日本人ユーザーが持つ口座はどうなるのか?
撤退を決めたものの既存の日本人ユーザーが持つ口座はどうなってしまったのか、その点についても触れていきましょう。
ネッテラーは撤退を日本の全ユーザーに告知し、三段階で対応方法を変えていきました。
令和2年4月21日をもって、銀行口座への出金以外の機能を停止させ、新規の送金や入金を停止させる手段を取ったのが最初の対応です。
次に令和2年5月29日まで銀行口座への出金を停止させ、ここでネッテラーが直接行う出金の対応を終わらせました。
最後に令和2年5月29日を過ぎてNETELLERのウォレット口座に残高がある場合は、直接東京法務局へ連絡するという対応を呼びかけたのです。
なぜ東京法務局に連絡するように呼びかけたのかと言うと、口座にある残金を全て東京法務局へ供託したというのが理由になります。
供託とは、金銭などを国の機関である供託所に預け、その後の管理を任せる制度を言います。
ネッテラーは、この制度を利用し日本法人がある東京の供託所を持つ東京法務局へ供託したのです。
このように現在の管理一切は、供託所となっている東京法務局にありますから、もし口座にお金が残っていた場合は連絡して引き出す手続きをしましょう。

口座に残金がある場合は東京法務局へ連絡を

口座に残金がある場合は東京法務局へ連絡を
ネッテラーはイギリスを中心として欧米やオセアニアに拠点を持つ電子送金サービスです。
しかし、この送金業務自体は便利な特徴を持っていたものの、様々な事情から2020年4月に日本から撤退してしまいました。
そして5月には一切の出金ができなくなったというのが現状です。
しかし、まだ引き出されていない残金に対しては供託所である東京法務局が管理しており、そこへ連絡して所定の手続きをすれば引き出すことが可能です。
再び上陸することを願いつつ、もし引き出していないお金があったら東京法務局へ連絡しましょう。